火災とは
はい!こんにちは!
今回はそもそも火災とはなんぞやということをお話ししたいと思います。
私は小さい頃は消防士とは火事を消火する人だ!と考えていました。
消防士になったばかりのころも考えは同じで、1番の仕事は火災の消火活動だと思っていました。
あのころの私は火災とはなんですか?と聞かれてもしっかりと答えることができませんでした。火災とはなんですか?→火災?火事のことです!と答えていたでしょう。
みなさんはちゃんと答えられますか?
私ほどアホな回答はしないとは思いますがしっかりと答えるのは意外と難しいと思います。
俺は完璧に火災の全てを把握している!って方以外はぜひ見てください!
これから消防士を目指す方も「火災」という基本的なワードですが、意外と奥が深いことが分かると思いますのでぜひ見てください!
また、火災といっても様々な種類の火災がありますのでそちらについても紹介していきます。
消防に入ってこれを完璧に答えられると一目置かれると思いますよ!
このブログを見るとわかること
- 火災とは
- 火災の分類
などになります。
正直、このブログを見ただけでは火災の全ては分かりません。
ほんの一握りかと思います。それほど奥が深いものです。
基本にはなりますが、知らないor忘れていたことが少しでも紹介できたら幸いです。
それでは行ってみましょう。
火災とは
人の意図に反して発生し若しくは拡大し、又は放火により発生して消火の必要がある燃焼現象であって、これを消火するために消火施設又はこれと同程度の効果のあるものの利用を必要とするもの、又は人の意図に反し発生し若しくは拡大した爆発現象をいう。(火災報告取扱要領 消防庁長官通知)
上記が火災の定義となっています。
なんかよくわからないですよね。
簡単に説明すると・・・
- 人の意図ではなく発生したもの。拡大したもの。(消火の必要があるもの)
- 放火によるもの(消火の必要があるもの)
- 上記のものを消火するために消火施設(消火器など)もしくは消火施設と同程度の効果があるもの(水など)を必要とするもの。
- 意図せず発生および拡大した爆発現象
みたいな感じです。少しは分かりやすくなったでしょうか。
これらを参考に火災かそうではないのかを判断します。
少し例を紹介します。
- 焚き火をしていたら燃え広がってしまった→火災
- スプレー缶の横で火気を使用し、缶が爆発して部屋の壁が焼損した。→火災
- キャンプ中に焚き火をしていたら炎が服に着火したので水をかぶって消火した→火災
- 焼畑→火災ではない
みたいな感じとなります。今まで曖昧に考えてきた「火災」という言葉が少し明確になったのではないでしょうか。あくまで一例で実際はもっと複雑な案件もありますのでここは基礎ということでお願いします。
火災の分類
建物火災
建物火災は、建物内で発生する火災のことを指します。火災の発生原因は、電気設備の不良、コンセントの過負荷、不良な配管、ガス漏れ、放火などが挙げられます。
建物火災に出動する際に消防士が注意すべきことは多岐にわたりますが、以下にいくつかのポイントを挙げてみます。
- 初期対応が非常に重要
建物火災は、瞬く間に広がって大きな被害を引き起こすことがあります。そのため、初期対応が非常に重要です。火災発生時には、すぐに災害点の確認を行い、要救助者の有無を確認し、延焼防止及び消火活動に入る必要があります。
- 火災現場の安全確保
火災発生時には、周囲の人々を安全な場所へ誘導し、火災現場の安全確保を行うことが必要です。また、ガスや電気などの設備が稼働している場合は、それらを遮断することも重要です。
- 消火活動の適切な方法の選択
消火活動には、水や消火器、消火剤などが使用されますが、火種の種類や広がり方によっては、適切な方法を選択する必要があります。例えば、電気火災には水を使用すると危険ですので、二酸化炭素消火器を使用するなど、適切な消火方法を選択する必要があります。
また、建物火災特有のフラッシュオーバーやバックドラフトなどにも気をつけなければなりません。これらは今後個別に詳しく解説していきたいと思っています。
- 煙に注意
火災時には、煙が発生します。特に建物火災では様々なものが燃焼し、それが屋内に充満します。煙には有毒ガスが含まれており、呼吸器系に深刻な影響を与える可能性があります。そのため、煙に注意し、屋内に侵入する際は必ず呼吸器具を使用することが必要です。
林野火災
林野火災とは、森林や野原などの自然地域で発生する火災のことを指します。林野火災は他の火災と異なり、火災現場のアクセスが困難であったり、燃料が豊富であったり、風向きが変わりやすかったりするため、特別な対応が必要となります。
林野火災の発生時には、以下のような対応が必要です。
- 迅速に出動し、早期鎮火を目指す
林野火災は発生から時間がたつと、燃料が豊富であるために広がりやすく、かつ鎮火が困難になります。したがって、初期段階で発見した場合は迅速に出動し、早期鎮火を目指すことが大切です。
これとは逆に発生時から長時間の活動が予想される場合などでは過度に焦るのではなく出動体制をしっかりと整えて、長期間の活動に耐えられる準備をしてから出動するという考えもあります。
- 現場の状況を正確に把握する
林野火災は、広大なエリアで発生することが多いため、現場の状況を正確に把握することが重要です。現場の地形や風向き、火の勢いや燃え広がりなどを把握し、対策を立てる必要があります。
最近ではドローンを使用し、状況の把握をすることができるようになってきています。保有している消防署は早期に使用し、火災の状況をいかに周知できるかが重要となります。
- 消火活動に適した装備を使用する
林野火災は、火の勢いが強く、燃料も多いため、消火活動に適した装備を使用する必要があります。たとえば、ヘリコプターや航空機を使った水の散布や、リュックのように背中に水を背負って残火処理を行うジェットシューターなどがあります。
4. 体制を整える
林野火災は、広範囲にわたるため、一つの消防署だけでは対応が難しい場合があります。したがって、消防署同士や、地元の消防団、自衛隊などと協力して、消火活動を行うことが必要です。
車両火災
車両火災とは自動車、トラック、バス、列車などで火災が発生することです。車両火災は、燃料やオイル、電気システムなど、火災が急速に広がる要因が多いため、素早い対応が必要です。
以下は、車両火災に対する消防士の対応方法についてのポイントです。
- 安全確保を優先する 車両火災に対応する際は、まず安全確保を優先することが重要です。周囲の人々や消防士自身の安全を確保するため、現場周辺に適切な封鎖を行い、必要に応じて消火器やホースを用いて消火活動を行います。また、火災が発生した車両の近くに他の車両がある場合は、その車両も火災に巻き込まれる可能性があるため、注意が必要です。
- 火元を探し、電源を遮断する 車両火災の原因は、燃料漏れや配線のショート、エンジンの故障など様々です。火災の原因となる要素を探し、電源を遮断することが重要です。火災原因が特定できた場合は、必要な対応を行います。
- 車両火災においては、早期に消火活動を行うことが重要です。消火活動には、消火器やホースを用いる方法があります。消火器を使用する場合は、消火器の種類や使用方法に注意し、消火剤が適切に散布されるようにします。また、水を使用する場合でEV車の場合は電源が完全に遮断されているか確認する必要があります。
- 火災の状況に応じた対応を行う 車両火災は、火災の状況によって対応方法が異なります。火災が車両のエンジンやタイヤなどに限定されている場合は、エンジンを遮断することが最優先です。また、火災が車両の中から発生している場合は、要救助者が脱出できるようにドア開放などの措置をとります。
- 消火後の確認と安全対策 消火活動が終了した後は、再発防止のために火元周辺を十分に確認し、残留火災のないことを確認します。また、車両が公共交通機関の場合は、運行再開の前に安全確認を行うことが必要です。
船舶火災
船舶火災は、消防士が遭遇する中でも、特に危険性が高い事案の一つです。船舶は、大量の燃料や化学物質を搭載しているため、火災が発生すると大規模な被害が発生することがあります。また、船舶は水上にあるため、救助活動が難しいことも特徴です。
以下は、船舶火災に対する対応方法についてのポイントです。
- 安全確保を優先する 船舶火災に対応する際は、まず安全確保を優先することが重要です。船舶内に入る前に、周囲の状況を確認し、安全な場所に避難します。また、周囲の人々や自身の安全を確保するため、消火活動を行う前に、周囲に適切な封鎖を行います。
- 火元を探し、電源を遮断する 船舶火災の原因は、エンジンや配管、電気システムなど様々です。火災の原因となる要素を探し、電源を遮断することが重要です。火災原因が特定できた場合は、必要な対応を行います。また、船内は複雑な構造となっていることが多いので関係者を捕まえて船の図面や案内をしてもらい、早期に構造の把握をする必要があります。
- 消火活動を行う 船舶火災においては、消火活動を行うことが重要です。消火器を使用する場合は、消火器の種類や使用方法に注意し、消火剤が適切に散布されるようにします。また、ホースを使用する場合は、水量や噴射方向に注意し、周囲の人々や建物に水が飛び散らないようにします。
- 適切な装備の使用 船舶火災に対応する際には、適切な装備の使用が重要です。例えば、船舶内には、煙や有毒ガスが発生することがあります。この場合は、呼吸器を着用することが必要です。また、船舶によっては、消火剤の種類や数量に制限がある場合があります。
航空機火災
航空機火災は、最も危険な場面の一つです。火災は速やかに拡大し、搭乗している人々の命を脅かし、地上に被害を与える可能性があります。以下は、航空機火災について簡単にまとめたものです。(私は体験したことがないので調べたものとなります)
- 航空機火災のリスク
航空機火災は、航空機の内部で燃え始めることがあります。航空機内部は狭く、空気が循環しないため、火災が発生すると急速に拡大します。また、航空機は高度な燃料とエンジンを備えているため、火災が発生した場合、非常に熱い火柱を生じます。航空機火災のリスクについて深く理解し、リスクを最小限に抑えるための対策を講じる必要があります。
- 火災対策
航空機火災に対処するための最も重要な手順は速やかな消火です。消火する前に、消火剤のタイプや使用方法について知る必要があります。また、機体内部には電気システム、油圧システム、燃料タンクなどのリスクがあるため、火災の原因を特定し、安全に消火する必要があります。航空機火災の場合、消火に適した消火剤としては、乾式化学消火剤や泡消火剤があります。消火に際しては、航空機の構造や性質を十分に理解し、正確な判断を行う必要があります。
- 救助作業
航空機火災の場合、消火後には、乗客や乗員の救助が必要です。救助作業には、速やかな避難の支援、燃料漏れや炎上のリスクを抑えるための周辺の消火などが含まれます。消防士は、救助作業に当たる前に、周辺の安全確保を十分に考慮し救助作業に当たることが重要です。航空機内部は狭く、通路やドアが狭いため、避難には時間がかかることがあります。乗客や乗員の状態を確認し、適切な方法で避難を支援する必要があります。また、航空機火災により発生する煙には有毒ガスが含まれている場合があります。自身の安全を確保しながら、救助作業を行う必要があります。
- 訓練の重要性
航空機火災は、その独特な状況により、特別な訓練が必要です。航空機内部の環境や消火剤の種類、避難方法、煙に含まれる有毒物質などを理解し、訓練を行うことが重要です。航空機火災に対処する際には、知識と経験が必要です。消防士は、定期的な訓練を受けることにより、最新の知識や技術を身につけ、航空機火災に対処する準備を整えることができます。
その他
これまでに紹介した火災の分類にあてはまらない+火災の定義には当てはまるものです。(適当ですみません。)
まとめ
いかがだったでしょうか。少し長くて堅苦しい部分もありましたが、大体こんな感じです。今後は個別にもっと掘り下げることができたらなと思っています。船舶火災や航空機火災は所属する地域によっては一生遭遇することがないものになるかもしれません。ですが、今回の記事のように要点だけでも押さえておくことで、いざという時に役に立つかもしれません。
次も、火災について書いて行きたいと思っていますので、引き続きよろしくお願いします!
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